、貴賤貧富を問わず、私たちの生活態度は斯くあるべきであり斯くあらざるを得ない。
物そのもののねうち[#「物そのもののねうち」に傍点]、それを味うことが生きることである。物そのものがその徳性を発揮するところ、そこが仏性現前の境地である。物の徳性を高揚せしめること、そのことが人間のつとめ[#「つとめ」に傍点]である。
私は臆面もなくH老人を責めS夫人を責めて饒舌であり過ぎた。それはすべて私自身に向って説いて聞かせる言葉に外ならない。
[#地付き](「広島逓友」昭和十三年九月)
底本:「山頭火随筆集」講談社文芸文庫、講談社
2002(平成14)年7月10日第1刷発行
2007(平成19)年2月5日第9刷発行
初出:「広島逓友」
1938(昭和13)年9月
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2008年5月19日作成
青空文庫作成ファイル:
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