無理をするな[#「無理をするな」に傍点]、素直であれ[#「素直であれ」に傍点]。――
すべてがこの語句に尽きる、この心がまへさへ失はなければ、人は人として十分に生きてゆける。
[#ここで字下げ終わり]
四月廿一日[#「四月廿一日」に二重傍線] 曇。
沈欝。――
散歩、SのSを訪ねる、逢うてよかつたと思ふ、やつぱり血は水よりも濃い! 暮れて戻る、途中またW店に寄つて飲む、酔ひしれてF屋に出かけ、たうとうそこに寝込んでしまつた!
四月廿二日[#「四月廿二日」に二重傍線] 曇――晴。
酒、酒、酒、馬鹿、馬鹿、馬鹿。
W店にもN店にもT店にもすまないすまない。
動けなくなつてW店のお世話になる。
四月廿三日[#「四月廿三日」に二重傍線] 晴。
朝、さうらうとして帰庵。
Sから貰うた餅を焼いては食べる。
夕方、暮羊君来庵、酒と下物とを持つて。
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ユーモアのある句へ[#「ユーモアのある句へ」に傍点]、それから
ナンセンスの句へ[#「ナンセンスの句へ」に傍点](無為無作の句[#「無為無作の句」に傍点]といつてもよからう)。
[#ここで字下げ終わり]
四月
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