ぬるだらう、私はどうすることも出来ない。
自然[#「自然」に白三角傍点]といふものについて考へる。……
またポストへ、ついでに入浴、そしてM屋に寄つて一杯ひつかける、K店で煙草を借る、なでしこが切れてはぎを借る、十三銭の浪費である。
身辺を整理した気持好さで、アルコールのおかげでぐつすりと眠れた。
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こらへる[#「こらへる」に傍点]、――私はこらへなければならない、こらへることのできない私を呪ふ。
未熟と未完成とは別物だ[#「未熟と未完成とは別物だ」に傍点]。
芸術に国境なし[#「芸術に国境なし」に傍点]、しかし民族の血肉はある[#「しかし民族の血肉はある」に傍点]、そのどちらも真だ。
感傷は反芻する――と、ルナアルは日記に書いてゐるが、私の感傷は反噬する[#「私の感傷は反噬する」に傍点]。
自信をなくした日[#「自信をなくした日」に傍点]、こんな寂しいことはない、そのときほど、自分をみじめと思ふことはない。
[#ここで字下げ終わり]

 六月七日[#「六月七日」に二重傍線] 雨、雨、雨。

五時起床、熟睡の朝の軽快。
――とかく功利的[#「功利的」に傍点]に動き
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