メンだつた。
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払ふべきもの払へるだけ払ふたうれしさ。
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 五月二日[#「五月二日」に二重傍線] 三日[#「三日」に二重傍線] 雨――曇――晴。

湯田滞在。
時計を売つて、酒と菓子とをルンペン君に奢つた、みんないつしよにうたうて笑つた。

 五月四日[#「五月四日」に二重傍線] 五日[#「五日」に二重傍線] 晴。

帰庵。
がつかりして寝つゞけた。――
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何物にも囚はるゝなかれ[#「何物にも囚はるゝなかれ」に傍点]。
殊に自己に対して[#「殊に自己に対して」に傍点]。
[#ここで字下げ終わり]

 五月六日[#「五月六日」に二重傍線] 晴。

五月、あゝ五月。
やつと寝床から起きあがつた。――
灯火なし、眠れない、苦しかつた。

 五月七日[#「五月七日」に二重傍線] 曇。

身心不安、食慾減退。
樹明君から来信、よい事があるといふ、夕方から出かける、御馳走を頂戴する、敬君待つても来らず、泊る。

 五月八日[#「五月八日」に二重傍線] 晴――曇――雨。

未明帰庵。
父の第十七回忌、ひとりさびしく読経し回向する、
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