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お米買はうか 酒買ほか
石油にしようか 煙草にしようか
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道ばたにはタカノツメとかいふ紫の小草が咲いてゐる、ぶらぶら歩いてゐるうちに、だん/\憂欝が軽くなる、途中一杯ひつかけた。
夜はまた出かけた、酔ひたくてたまらなかつたので、酔はずにはゐられなかつたので、……そして例によつて例の如し、マイナスにマイナスを加へ、愚劣に愚劣を重ねた、……こんとんとして何が何やら解らなくなつた。
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□まことの作者は飛躍[#「飛躍」に傍点]する、飛躍する作者は足踏[#「足踏」に傍点]する、爆発前の焦燥、緊張、苦悩、憂欝、それをぢつと堪へてゐなければならない。
□無能無力であることを自覚[#「自覚」に傍点]したが故に、その一筋につながることを体現[#「体現」に傍点]したのである。
[#ここで字下げ終わり]
二月十一日[#「二月十一日」に二重傍線] 曇――雨。
旧の正月元日、そして紀元節、建国祭。
茫々たり、たゞ茫々たり、何物もなし、何物もなし。
夕方、暮羊君来庵、招待されて訪問、うまい酒、うまい下物の御馳走を頂戴する、うれしか
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