観よ[#「この月を観よ」に傍点]と叫びたかつた。
[#ここから1字下げ]
第五句集 柿の葉[#「柿の葉」に白三角傍点]
山頭火と緑平と澄太との三重奏
△山緑澄――山の緑は澄む[#「山の緑は澄む」に傍点]、と読めば読まれる。
(其中庵風景)
月から柿の葉ひらり 山
柿の葉おちこませてゐることか 緑
[#ここで字下げ終わり]
十二月廿九日[#「十二月廿九日」に二重傍線] 晴、時雨。
今日はよつぽどぬくかつた。
晴雨共によろし、寒くさへなければ(私は暑さには強い)。
庵主は般若湯が好き、いつも赤い顔して赤字で苦しんでゐる、山頭火よ、と自から嘲り自から慰める。
天地人に対してすまない[#「天地人に対してすまない」に傍点]、といつも私は思ふ、思ふだけで、それを実現することは出来ないけれど、――今日も強くさう思つた。
いやな鴉の鳴声が気にかゝつて困つた。
緑平老から年忘れの一封を頂戴した、すみません、すみません。
うまい昼食であつたが、さびしい昼食でもあつた。
夕方、農学校へ行く、樹明君宿直、御馳走になつて、ラヂオを聴いたりなどして泊る。
ぐつすりとよく睡れた。
[#ここ
前へ
次へ
全138ページ中135ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
種田 山頭火 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング