ここで字下げ終わり]
四月廿二日[#「四月廿二日」に二重傍線] 晴れたり曇つたり、また雨か。
けさも早起、しかも米がない。
大根と唐辛とを播く。
せめて今日一日を正しく楽しく生きたい[#「せめて今日一日を正しく楽しく生きたい」に傍点]。
米がなくては困るので、学校に樹明君を訪ねて、Sさんから句集代を貰うて貰ふ。
山口まで歩いた、途中、湯田競馬見物、一競馬見たら嫌になつた、そこには我慾が右徃左徃してゐるばかりだ、馬券がとぶばかりだ、馬を鑑賞する、いや、賭そのものを味ふこと[#「賭そのものを味ふこと」に傍点]すらないのだ、勝負事の卑しい醜い一面しかないのだ。
帰途、新町の馴染の酒店で味淋一杯のお接待を頂戴した、小母さんは眼が悪い、そして今日明日はお大師様の御命日である。
学校に寄つて、夕飯を御馳走になつた、そしてほどよく酔うてしやべつて、戻つて寝た。
[#ここから2字下げ]
湯田競馬
・くもりおもたく勝つたり敗けたりして
麦田ひろ/″\といなゝくは勝馬か
遊園地
・さくらちるあくびする親猿子猿
檻の猿なればいつも食べてゐる
・猿を見てゐる誰ものどかな表情
山口運
前へ
次へ
全186ページ中65ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
種田 山頭火 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング