とても好いお天気、ぢつとしてはゐられないので出てあるく。
米は買へないから(一升三十二銭)食パンを買ふ(一斤十四銭)、そして行乞はしないのだ、こゝにも私のワガママがあるけれど、それが私のウマレツキだから、詮方もない。
今日は油虫を二度とも殺しそこなつた、かうまで油虫が憎いとは情なくなる。
Nさん来庵、恋愛談を聞かされる、かういふ話も時々は悪くない(度々では困るけれど!)。
やつと番茶が買へたので、それをすゝりながら話しつゞけた。
食パンが近来飲みすぎ食べすぎの胃腸をとゝのへてくれるとは。……
今夜は樹明君宿直なので、六時のサイレンが鳴つてから訪ねる、いつものやうに御馳走になる、思はず飲みすぎて酔つぱらつた、まつすぐに戻ればよいのに横道にそれてしまつた、戻ることは戻つたけれど、愚劣な自分を持てあました!
[#ここから4字下げ]
其中漫筆
[#ここから2字下げ]
酔中戯作一首
あなた ドウテイ
わたくし シヨヂヨよ
月があかるい虫のこゑ
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから1字下げ、折り返して2字下げ]
其中漫筆
□私俳句[#「私俳句」に傍点]とは――
□リアリズム精神
前へ
次へ
全186ページ中179ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
種田 山頭火 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング