層雲」に傍点]、緑平老が大泉[#「大泉」に傍点]を送つてくれた。
酒があつて飯があつて[#「酒があつて飯があつて」に傍点]、そして寝床があつて[#「そして寝床があつて」に傍点]、ああ幸福々々[#「ああ幸福々々」に傍点]。

 十月七日[#「十月七日」に二重傍線] まつたく秋日和。

朝寝、寝床の中で六時のサイレンを聴いた。
今日も油虫を二匹、そしてまた二匹殺した、多分彼等は夫婦だつたらう、殺してから――殺さずにはゐられないから殺したが――気持の悪いこと。
日向の縁で本を読んでゐると、うつくしいパラソルが近づいてくる、ハテナと思つてゐると、さつさうとして山口の秀子さんがあらはれた、小郡駅まで来たので、ちよつとお伺ひしたといふ、其中庵も時ならぬ色彩で飾られた、しばらく対談、友達を訪ねるといふので(その友達は農学校の先生のお嬢さんで、そしてその宅は農学校の裏にあるので)、農学校まで同道して、樹明君に案内を頼んで戻つた、道すがら、人々が驚いてゐる、何しろ私が若い美しい女性と連れ立つてゐるものだから!
行乞しなければならないのだが(もう米がないのだが)、どうしても行乞する気になれない。
大根も山
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