今日は彼岸の中日だが、これではお寺参りも出来まい、鐘の音はちぎれて鳴るが。
昨日、魚釣の帰途、採つて戻つた紫苑男[#「男」に「マヽ」の注記]郎花を活ける、やつぱり秋の草花[#「秋の草花」に傍点]だな。
午後、風雨の中をSさん来訪、酒持参で、つゞいて樹明君来庵、豆腐と野菜と魚とを持参して、御馳走、御馳走、ちり[#「ちり」に傍点]はうまいな、ほどよく酔うて夕方解散。
少々飲み過ぎ食べ過ぎたやうだ。
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・風ふく萩はゆれつつ咲いて
・藪風ふきつのる窓の明暗(関)
・風を聴く鳴きやめない虫はゐる
 雨ふるなんぼ障子をたゝいてもはゐ[#「ゐ」に「マヽ」の注記]れない虫で
   病中
 そこらまできて鉦たゝき
[#ここで字下げ終わり]

 九月廿五日[#「九月廿五日」に二重傍線] 曇、雨、晴。

ありがたや朝酒がある(昨日のおあまり)。
ほろ酔の眼に、咲きこぼれた萩が殊にうつくしい。
買物いろ/\――
米(これは借)、石油十銭、餅十銭、魚十銭。
やうやくにして晴れた空を仰ぎ、身心のおとろへを覚えた、これでは行乞の旅も覚束ない。
夕方、Nさんといふ青年来訪、しばらく漫談した、
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