がある。
待つともなく待つてゐたコクトオ詩抄[#「コクトオ詩抄」に傍点]が岔水居からやつて来た、キング九月号を連れて。
午後は近郊散策。
このあたりはすべてお祭である、家々人々それ/″\にふさはしい御馳走をこしらへて食べあふ、うれしいではないか。
ゆふべ何となくさびしいので街へ出かけた、山田屋でコツプ酒二杯二十銭、見切屋で古典二冊二十銭、酒は安くないが、本はあまりに安かつた。
コツプ酒のおかげで、帰庵すると直ぐ極楽へ行くやうに熟睡に落ちたが、覚めて胃がよくないのは是非もない、やめておくれよコツプ酒――と、どこやらで呟く声が聞えるやうだつた。
病んでもクヨ/\しない[#「病んでもクヨ/\しない」に傍点]、貧乏してもケチ/\しない[#「貧乏してもケチ/\しない」に傍点]、さういふ境涯に私は入りたいのだ。
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・食べるものはあるトマト畑のトマトが赤い
・水のゆたかにうごめくもののかげ
・空の青さが樹の青さへ石地蔵尊
・秋晴れのみのむしが道のまんなかに
市井事[#「市井事」に傍点]をうたふ
・彼氏花を持ち彼女も持つ曼珠沙華
秋の夜ふけて処女をなくした顔がうたふ(改作
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