気に入つた場所が見つからないので、けつきよく、そのまゝ別れて戻つた、めでたし、めでたし。
久しぶりの酒と散歩とがぐつすり睡らせてくれた。
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   ぐうたら手記
□過去帳[#「過去帳」に傍点]――
  年寄の冷水でなくして洟水[#「洟水」に傍点]。
□天地荘厳経[#「天地荘厳経」に傍点]。
  自然、藝術。
□魚籃を失ふ釣人。
 魚籃を持たない釣人。
□純粋化――単純化――個性化。
[#ここで字下げ終わり]

 八月廿五日[#「八月廿五日」に二重傍線] 晴。

まだ暗いうちにサイレンが鳴つたが、はて、何だらう、――それだけ私も世を離れてゐる。
けさはとても早起、夜が明けるのを待ちかねた、まるで四五才の小供のやうに。
卒倒以来、心地頓に爽快、今日は特に明朗だつた。
山の鴉が窓ちかくやつてきて啼きさわぐ、赤城の子守唄をおもひだせとばかりに、――じつさい、おもひだして小声でうたつた、何とセンチなオヂイサン!
これは昨夜、佐山地方を逍遙して感じたのであるが――
ここらあたりには時代の音[#「時代の音」に傍点]は聞えるけれど、まだ/\時代の波[#「時代の波
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