直角形(改作)
・さういふ時代もあるにはあつた蝉とる児のぬきあしさしあし
・暑さきはまり蝉澄みわたる一人
・ゆふべはよみがへる葉に水をやる
・山はゆふなぎの街は陽のさす方へ
・炎天まつしぐらにパンクした(自動車)
   逸郎君に
・百合を桔梗に活けかへて待つ朝風
・ちつともねむれなかつた朝月のとがりやう
・夜あけの風のひえ/″\として月草ひらく
[#ここで字下げ終わり]

 七月二十七日[#「七月二十七日」に二重傍線] 曇。

早起、朝酒、九時の下りで九州へ。――
初めて汽車の食堂にてビール一本さかな一皿。
門司駅一二等待合室にて黎々火君を待ち合せ、岔水君をよびよせてもらつて、アイスクリームを食べつゝ会談。
関門風景[#「関門風景」に傍点]はいつもわく[#「く」に「マヽ」の注記]るくない。
それから八幡へ、――鏡子君、井上さん、星城子君といつしよに、食べたり飲んだり、話したり。
入浴、私の体重十四〆弐百、折から安売の玉葱に換算すればまさに壱円四十弐銭の市価(二等品で一〆十銭だから!)。
丸久食堂の隣席はきつと結婚見合、この結婚不成立と観たは僻目か、女の方が男よりもづう/\しかつた。

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