手に飲んだり、……ホツトウヰスキーでおわかれ。
[#ここから2字下げ]
・つかれてもどつてひなたの寒菊
・いちにち風ふき誰もこない落葉する
・悔いるこゝろに日がてり小鳥きてなくか
・霜晴れ澄みわたるほどに散るは山茶花
[#ここで字下げ終わり]
十二月四日[#「十二月四日」に二重傍線] 冬ぐもり。
身心何となく快い。
しんみりする日だ。
夜はひとり出かけて飲んだ、そして泊つた、酒はよくなかつたが宿はよかつた。
[#ここから2字下げ]
多賀治第二世かさねて出生、そのよろこびを私もよろこびて
・霜あしたうまれたのは男の子
・お日さまのぞくとすやすや寝てゐる
[#ここで字下げ終わり]
十二月五日[#「十二月五日」に二重傍線] 晴、疲労、倦退、悔恨。
やつぱり昨夜の酒はよくなかつた、私はさういふ酒を飲んではならない。……
入浴して不快を洗ひ落す。
風のさわがしい一日だつた、私はしづかに落ちついてゐた。
ちしや苗を植ゑつける、ふるさとをたべる砂吐流[#「ふるさとをたべる砂吐流」に傍点]を思ひだして、ハガキを出す。
[#ここから2字下げ]
・松葉ちる石に腰かける
・藪から出てくる冬
前へ
次へ
全114ページ中80ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
種田 山頭火 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング