ながれる方へふるさとをあゆむ
[#ここで字下げ終わり]
十一月廿二日[#「十一月廿二日」に二重傍線] 曇つて寒い、雪でもふりだしさうな。
炬燵の用意はよろしいか。
△枯れてゆく草のうつくしさよ。
久しぶりに――十日ぶりに入浴。
裏の林でひよどりがしきりに啼きかはします。
シヤツがあたゝかい、黙壺君ありがたう、トンビがあたゝかい、井上さんありがたう、また冬がまはつてきて、感謝を新たにする。
ほんにしづかだなあ――と、今更のやうに今夜も感じたことである。
米と酒[#「米と酒」に傍点]、むろん米の方が大切だ、しかし私は金が手にはいると、何よりもまづ酒を買つた、それが此頃はどうだらう、第一に米、そして味噌、そして炭、第二第三として酒を買ふのである。
飯のうまさ[#「飯のうまさ」に傍点]、それは水のうまさ[#「水のうまさ」に傍点]とおなじだ、淡々として、そして滋々として尽きることのない味[#「尽きることのない味」に傍点]である。
△……酒はどうでもよくなつた、句はやらずにはゐられない……たゞ此一筋につながる[#「たゞ此一筋につながる」に傍点]、……私は此一筋をたどりつゝある、此一筋をたどる
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