べてが自業自得で致し方もないが、甘んじて受納するけれど、不幸は不幸であることにかはりはない。
何を食べてもうまいといふ事と、何を食べてもまづいといふ事との間には、天と地との差、東と西との隔りがある。
私の意慾は日にましおとろへてゆく、この事実はうれしくもありかなしくもありさびしくもある。
変態的幸福[#「変態的幸福」に傍点]、私はそれを味はひつつある。
△病めば梅干の赤さ――たゞ梅干がよい、――梅干の味が病める身心にうれしいのである。
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・人のなつかしくかれくさみちをゆく
・出かけようとする月はもう出てゐる
剃りおとして月の冴えたる野をもどる
[#ここで字下げ終わり]
十一月二十日[#「十一月二十日」に二重傍線] 晴、うらゝかな小春日、鵯がなけばさらに。
日向でほころびを縫ふ、襦袢の襟のつけかへはなか/\むつかしい。
味噌買ひに街まで。
私の好きな寒菊がほつ/\ほころびそめた。
机上の壺に櫨の一枝を※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]す。
たよりいろ/\、緑平老の手紙は私を泣かせる。
緑平老から小遣を貰つたので、買へない
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