ズム。
自然の相《スガタ》。
人生の真実。
現実のうごき。
[#ここで字下げ終わり]

 十月十一日[#「十月十一日」に二重傍線]

晴、何が何やら解らないけれど面白い、同時に面白くない、やつぱり何が何やら解らないのだ。
公益質屋へ行つて利子だけ払ふ、今日此頃の質屋風景は秋らしい。

 十月十二日[#「十月十二日」に二重傍線]

秋晴、風がふいては雨。
○あかるいさみしさ[#「あかるいさみしさ」に傍点]だ、すなほな死[#「すなほな死」に傍点]であれ。
樹明君が何[#「何」に「マヽ」の注記]のついでに立ち寄ち[#「ち」に「マヽ」の注記]て熟柿を食べる、私も勧められて食べる、うまい/\、あまい/\。
○熟柿――木の実のあまさは自然のあまさだ。
○熟柿と日本の老人(老祖母追憶)
○みぞそばがうつくしい花を咲かせはじめた。
○四十惑うて五十更に惑ふ、六十尚ほ惑ふだらう。

 十月十三日[#「十月十三日」に二重傍線]

まことに秋晴、散歩日和、運動会日和だ。
朝は水の冷たさを感じる。
○存在の世界[#「存在の世界」に傍点]、在るところのもの[#「在るところのもの」に傍点]。
アキラメでない、サト
前へ 次へ
全114ページ中34ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
種田 山頭火 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング