いやうだつたが、ぐつすりねむれた。
人の情[#「人の情」に傍点]にうたる私[#「る私」に「マヽ」の注記]だつた!
今夜、周二居で、壺に※[#「插」でつくりの縦棒が下に突き抜けている、第4水準2−13−28]してあつた寒菊の白さがいつまでも眼に残つた。
[#ここから2字下げ]
・こんなところに師走いそがしい家が建つ
・枯れつくして芭蕉葉は鳴る夜の片隅
・遠く鳥のわたりゆくすがたを見おくる
・寝しな水のむ山の端に星一つ
・あすはお正月の御飯をあたゝめてひとり
[#ここで字下げ終わり]
十二月廿七日[#「十二月廿七日」に二重傍線] 晴、曇。
霜が降つて氷が結んでゐる、冬の厳粛[#「冬の厳粛」に傍点]を感じる。
当分、酒を断つてぢつとしてゐよう、さうするより外ない私となつたから。
今日はポストまで出かける気力もなかつた。
庵中独坐、こゝろおのづから澄む[#「こゝろおのづから澄む」に傍点]。
今日の食物――うどん一玉、ぬくめ飯一碗、香煎一杯、餅二つ、饅頭三つ!
酒が飲めなくなつて菓子がうまくなる、木の実[#「木の実」に傍点]を味ふ、酒の執着がなくなつて貪る心[#「貪る心」に傍点]もなくなつ
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