寝過した、六時前ではあつたが。
樹明君は腫れぽつたい顔をしてゐる、お茶も御飯も食べないで、さう/\帰つていつた。
私も過飲過食で胃が悪い、とても秋穂行乞はやれさうもないので、地べたに莚をしいて寝た、土が何より薬だ、土のなごやかなつめたさ[#「土のなごやかなつめたさ」に傍点]が身心のつかれを癒やしてくれます。
過ぎたるは及ばざるにしかず、――酒の場合に於て最も然り、そして、過ぎやすく及びやすし――最も然り。
終日無言、悠然観山、一切無事。
十五夜の月はうつくしかつた。
ぐつすりねむつた、たんぼでもねむられるからありがたい。
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・ひなたの葉をひろげてやる(秋田蕗移植)
・若葉しづもりまんまるい月が
・ゆふべひとときはさびしい若葉で
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五月十日[#「五月十日」に二重傍線]
晴、行乞しなくちやならない、どれ出かけやう。
出かけることは出かけたが、風が吹くし留守が多いし、気分もよくないので、中途から引き返した、行乞所得は――
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白米 七合
銭 六銭
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間引菜のお汁はおいしかつた。
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