だと考へるやうになつた、そして、酒さへあれば[#「酒さへあれば」に傍点]、といふ私が、米さへあれば[#「米さへあれば」に傍点]、の私となつてゐる。……
[#ここから2字下げ]
・さいてはちつてはきんぽうげのちかみち
・たれかきたよな雨だれのあかるくて
・もう暮れる火のよう燃える
・竹の子のたくましさの竹になりつつ
・によきによきならんで筍筍
・親子で掘る筍がある風景です
樹明君に
・なんとよいお日和の筍をもらつた
[#ここで字下げ終わり]
五月三日[#「五月三日」に二重傍線]
曇、風が出て寒かつた。
草取、入浴、散歩。……
樹明君が帰宅の途中を寄つてくれる、忠兵衛もどきで酒を捻出して飲む、精進料理のよい酒だつた。
句もなく苦もなし、楽もなく何物もなし、めでたし/\。
五月四日[#「五月四日」に二重傍線]
晴、なか/\つめたい。
待つてゐるものは来ない。
山の色がうつくしうなつた、苗代づくりがはじまつた。
敬君へ手紙を書いた、悪口を書いたけれど、私の友情はくんでもらへるだらう、敬君、しつかりしてくれたまへ、たのむ。
まじめな身心で畑仕事、蚯蚓の多いのには閉口した。
夜は
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