き割つて、そのまゝ食べる、かんばしい、久しぶりに磯の香をかいだ。
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・水音もあたらしい橋ができてゐる
・新国道まつすぐに春の風
・うらゝかにして腹がへつてゐる
・送電塔に風がある雲雀のうた
・麦田風はれ/″\として藁塚や
・裏口からたんぽゝにたんぽゝ
・春風のお地蔵さんは無一物
・あれが変電所でうらゝか
・こんなに虫が死んでゐる、たゞあかるくて
春夜の虫のもう死んでゐる
もだえつゝ死んでゆく春の夜の虫
春の夜の火事の鐘をきいてゐる
・何だか物足らない別れで、どこかの鐘が鳴る
・春寒のシヤツのボタンを見つけてつけた
[#ここで字下げ終わり]
三月十五日[#「三月十五日」に二重傍線]
来信いろ/\、しみ/″\読む。
やつと米一升(二十二銭)となでしこ一袋(四銭)とを捻出した、かういふ場合でないと、飯のうまさ、煙草のうまさが全身心に味へない。
十日ぶりに入浴、剃刀がないので髯が剃れなかつたのは残念、それよりも残念なのは電球をかへることが出来ない事だ、今夜もくらがりで考へるか!
春曇らしく曇つて、多少の風、遠山は霞。
いつのまにやら、鼠がやつて来てゐるらしい、
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