た。
手答へのある手紙は来ない、行乞にもお天気がきまらないので出たくない。
やうやくにして白米一升だけ工面した、これでもやつぱり世帯の遣繰といふべきだらう。
身のまはり、家のまはりをかたづける、おだやかな気分で。
やつと、うちの、ふきのとうを見つけた、二つ、しよんぼりとのぞいてゐた、それでもうれしかつた。
よい月夜、おだやかな月夜だつた。
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・朝からふりとほして杉の実の雨
・雨の椿の花が花へしづくして
・こゝにふきのとうがふたつ
亡母忌日二句追加
・おもひでは菜の花のなつかしさ供へる
・ひさびさ袈裟かけて母の子として
[#ここで字下げ終わり]
三月十二日[#「三月十二日」に二重傍線]
まことに春寒である、霜がふつて氷が張つてゐる、小雨さへふりだした。
よい手紙が来た、うれしいな、さつそく酒を買ふ。
樹明来、ふたりで飲んで街を歩いてゐると、ひよつこり敬坊にぶつつかつた、三人でまた飲んだ。
戻つてきて、飯を炊いて食べる、残つた酒を飲む。
夜、敬坊来、ふたりいつしよに寝る、おもしい[#「い」に「マヽ」の注記]ろいな。
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・雪の茶の木へ雪
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