貧者の一本[#「貧者の一本」に傍点]!
号外がきて驚かした、東北地方に地震、海嘯、火災があつたといふ、願はくは被害少かれと祈る。
やうやく三八九の仕事がすむ、切手代がないので発送することが出来ない、あはれ/\。
火を焚く、さみしくない、――かういふ句はもう作らない、たゞ感想の一片としてこゝに書きつけておかう。
いつもきこえるステーシヨンの雑音、しづかだ、――これもおなじく。
△金銭に乏しうして苦しんだのでは、ほんとうの意味で救はれない、物そのもの――たとへば米なら米――に乏しうして苦しんで、初めて、物そのものゝありがたさ[#「物そのものゝありがたさ」に傍点]が解り、したがつて生そのもののよろこび[#「生そのもののよろこび」に傍点]を味ふことが出来る。
△貧乏といふことがほんとうに解らなければほんとうに救はれない。
樹明不来、待ちぼけ。
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・生垣も椿ばかりでとしよりふうふ
・号外のベルが鳴る落椿
・そこに鳥がゐる黙つてあるく鳥
 草の実つけて食べ足つてゐる
 鳥かげのまつすぐに麦の芽
・ようほえる犬であたゝかい日で
・おきるより火吹竹をふく
・寒い火吹竹の穴ふとうす
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