一、銭二十九銭
  今日の買物
一、十五銭 シヨウチユウ
一、四銭  タバコ
一、三銭  ヤキイモ
[#ここで字下げ終わり]

 二月十四日[#「二月十四日」に二重傍線]

うらゝか、ほがらか、のどか、のどかだつた。
春ちかし、……もう春といふてもよかつた。
行乞に出かけるつもりだつたが、風邪気味なので自重して(独身者は殊に気をつけなければならない)、閑居。
夕方、樹明君が四日ぶり来庵、お土産として、ビスケツトとスルメとを頂戴した。
何のかのと用事がある、独身者は、閑なやうな忙しいやうな。
しんぢつお[#「しんぢつお」に傍点]ちき[#「ちき」に「マヽ」の注記]ました[#「ました」に傍点]、と私はすべてに報告した。
敏感な虫が灯をしたうてやつてくるやうになつた。

 二月十五日[#「二月十五日」に二重傍線] 涅槃会。

けさは早かつた、御飯をたべて、おつとめをすまして、しばらく読書してゐるうちに、六時のサイレンが鳴つた。
朝月夜がよかつた、明けゆく風が清澄だつた。
読書、読書、読書に限る、他に累を及ぼさないだけでもよろしい。
アメリカは黄金を抱き込んで、しかも貧乏に苦しんでゐる! これ
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