女等の好奇心と好意とに対して微苦笑するより外はなかつた。
義庵老師から、禅の生活と大乗禅とを六冊送つて下さつた、深謝感佩。
ぬくう暮れて、月が暈をかぶつてゐる、寝るより外なく、寝て読書してゐると、樹明君来庵、大村君を伴つて、そして餅を持つて。
その餅を焼いて食べながら話す、句の話、やつぱり句の話が一等よろしい。
[#ここから2字下げ]
・いかりおさへてさむいぬかるみもどつてきたか(自嘲)
こやしあたへてしみ/″\ながめるほうれんさうで
・掃きよせ掃きよせた落葉から水仙の芽(再録)
[#ここで字下げ終わり]
二月六日[#「二月六日」に二重傍線]
けさはまつたく早すぎた、御飯、御勤、何もかもすんでしまつても、まだ/\なか/\明けない、禅書を読んだ。
ぬくうてなごやかだつたが、だん/\つめたくなり、小雪ちりはじめた、畑仕事の手が寒かつた、そしてとう/\雨になつた。
今日も行乞には出かけられさうにもない、餅でも食べてをるか!
夕方、樹明君から来状、今夜は宿直だから、夕飯と晩酌とを御馳走しようとの事、大に喜んで出かける、飲む食べる話す、そして別れてHおばさんのところで、一品の二本、それか
前へ
次へ
全86ページ中48ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
種田 山頭火 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング