雪や山茶花や娘がうまれた
雪ふるあしたの女としてうまれてきた
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 私には女の子を持った体験はないけれど(白船君にはありすぎる!)、お嬢さんが日本女性としての全人となられることを祈願してやみません。

 今年はよく雪が降りましたね、雪見酒は樹明君と二人でやりました。雪見にころぶところまで出かけました。
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燗は焚火でふたりの夜
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 節分には樹明君に誘われて、八幡様へのこのこおまいりいたしました。或るおじいさんのところで、鯨肉をよばれて年越らしい情調にひたりました。
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月がまうへに年越の鐘が鳴る鳴る
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 本集の発行はだいぶおくれました。私のワガママとグウタラとのせいであります。何しろ何から何まで私の手一つでやらなければなりませんので、しかも私は気分屋なので、とかくおくれがちになりますが、あしからず思って下さい。そこでまず、原稿整理を月の中旬に、そして下旬に発行ということに定めておきます。
 とにかく、次集からはしっかりやりましょう。

 長崎市から発行されていた自由律句誌
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