つそ飛び込め!
――あ、彼は――私はヅドンと倒れた※[#感嘆符三つ、49−5]
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△人生には解決がない。ただ解決らしいものが一つある。それは死だ! と誰やらが叫んだ。然かも死そのものを信じえない人にとっては死もまた解決らしくさえない!
△人生とは矛盾の別名である。矛盾に根ざして咲いた悪の華、それが芸術だと信じていた。今でもそう信じている。と同時に芸術はどうしても道楽という気がして仕方がない。現実の苦痛に泣笑しつつ都々逸でも唄いたくなる。情ない、あさましいと思うけれど、事実は飽くまでも事実である。
△放浪によりてえたる貧しき収穫より――旧作□
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美しき人を泣かして酒飲みて調子ばづれのステヽコ踊る
旅籠屋の二階にまろび一枚の新聞よみて一夜をあかす
酒飲めど酔ひえぬ人はたゞ一人欄干つかみて遠き雲みる
酔覚の水飲む如く一人《いちにん》に足らひうる身は嬉しからまし
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△ △ △
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△先日の句会では愉快でした。持病の饒舌で諸
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