君を煩わしたことを謝します。そして破口栓君に私はあれだけ饒舌ってもまだ饒舌り足らなかったことを伝えて置きます。最後に檳郎君にお詑します。私は本紙を七枚ばかり破棄しました。実は今夜妙に興奮していたので、筆に任せて書き続けて、さて読みかえして見ると、あまり下らない事ばかり並べているので、すまないとは思いましたけれど、そのままにして置いて同人諸君の気持を悪くするよりはましだと考えたので引き裂いて反古籠へ投り込みました。
△巡回編集としての小俳紙発行のことは漣月君からも訪問をし訪問をうけた時承りましたが、雑誌編集はなかなか困難で永続は難かろうと思いましたから、しかとした返事は致しませんでした。このことについては兼てより熟考しましたが私は巡回編集よりは寧ろ単独編集の方が永続しようと思います。二三者の手に依って単独に編集されては如何です。
△歌集、大賛成です。賛成……と意気込んでも作ることは出来ません、が作り得る様になりたいのです。十四五の頃は一寸熱中して少年界などへも投書したことがありましたが此の所は遠ざかっていますのでてんで御話になりませんが是非御仲間に入れて戴きとうございます。歌集には賛成者
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