だけあたらしい
・秋の日ざしか、旅の法衣をつくらふことも
・すわれば風がある秋の雑草
・寝ころべば青い空で青い山で
・何もかも捨てゝしまはう酒杯の酒がこぼれる
うらに木が四五本あればつく/\ぼうし(白船居)
追加
・海をまへに果てもない旅のほこりを払ふ
・ふるさとの山にしてこぼるゝは萩
[#ここで字下げ終わり]
九月十三日[#「九月十三日」に二重傍線]
曇、八時出立、尻からげ一杯ありがたく頂戴。
遠石八幡宮参拝、奥床しく尊い。
昨夜飲みすごしたおかげで、今日はだるくてねむくて閉口した、そのためでもあるまいけれど、犬に咬みつかれた、シヤレた奴で傷づかない程度で咬みついたのである、一つ懲らしめのために殴つてやらうと思つて※[#「てへん+(麈−鹿)」、第3水準1−84−73]杖をふりあげたがやりそこなつた(飼主の床屋さんは責任廻避のために飼主ではないと解りすぎる嘘をいつてゐる、犬よりも犬の主人の方が下等だ!)。
十時から十一時まで花岡行乞。
花岡八幡宮はよいお宮だつた、多宝塔は特別保護建造物になつてゐる、古色蒼然として無量の含蓄がある、心しづかに味ふべし。
社務所の白萩はうつく
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