く、生死の問題が去来する、……因縁時節はどうすることも出来ない、生死去来は生死去来だ、死ぬる時は死ぬる、助かる時は助かる。……
事実を活かす[#「事実を活かす」に傍点]、飛躍[#「飛躍」に傍点]よりも漸進[#「漸進」に傍点]、そして持続[#「持続」に傍点]。
快い苦しみ、苦しい快さ(今日一日の気分はかうだつた)。
夕方、樹明さんに招かれて、学校の宿直室で十一銭のお辨当をよばれる、特に鶏卵が二つ添へてある、飯盒を貰つて戻る、御飯蒸器では(飯釜を持たないから)どうも御飯の出来栄がよろしくないので。
ごろりと横になつて、襖の文字を読む、――一関越来二処三処、難関再来一関覚悟、――此家の主人が若うして不治の疾にとりつかれたとき書きつけたのださうな。
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いちじくの実や、やつとおちついた
・ゆふべは雨ふる蓮を掘る
[#ここで字下げ終わり]
九月三日
今朝も早かつた、四大不調は不思議に快くなつた、昨夜、樹明さんからよばれたタマゴがきいたのかも知れない、何しろ、薬とか滋養物とかいふものがきゝすぎるほどきく肉体の持主だから。
夕立がきた、夕立を観ず[#「夕立を観ず」に傍点]
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