客と果し合ひしたのである、そして自分にはまだまだ死生の覚悟[#「死生の覚悟」に傍点]がほんとうに出来てゐないことを知つた。
夢は自己内部の暴露である。
今日は誰にも逢はなかつた、自己を守つて自己を省みた、――私は人を軽んじてゐなかつたか、人を怨んでゐなかつたか、友情を盗んでゐなかつたか、自分に甘えてゐなかつたか、私の生活はあまりに安易ではないか、そこには向上の念も精進の志もないではないか。――
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月夜の水を汲ましてもらふ
・月かげひとりの米とぐ
月の落ちる山の灯ちんがり
・どかりと山の月おちた
月おちた大空のしらみくる
月おちて風ふく
・月が落ちる山の鐘鳴りだした
□
月へあけはなつ
・朝月がある雑草を摘む
・朝月に誰やら拍手鳴らしてゐる
[#ここで字下げ終わり]
九月十五日
晴、時々曇る、満月、いはゆる芋名月、満洲国承認の日、朝五時月蝕、八幡祭礼、肌寒を感じる。
昼、ばら/\としぐれた、はじめてしぐれの風情を味ふ。
今日の雑草は夏水仙といふ花、その白いのがうれしい(これは雑草でなくて、どこかのこぼれ種らしい、川土手で摘んだが)。
酒壺洞君
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