、腹を立てないこと
二、嘘をいはないこと
三、物を無駄にしないこと(酒を粗末にするなかれ!)
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今日は、午前は冬、午後は春だつた。
一月三日[#「一月三日」に二重傍線] 晴曇さだめなし、緑平居。
終日閑談、酒あり句あり、ラヂオもありて申分なし。
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ボタ山の間から昇る日だ
・ラヂオでつながつて故郷の唄
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香春岳は見飽かぬ山だ、特殊なものを持つてゐる、山容にも山色にも、また伝説にも。
一月四日[#「一月四日」に二重傍線] 晴、行程わづかに一里、金田、橋元屋(二五・上)
朝酒に酔つぱらつて、いちにち土手草に寝そべつてゐた、風があたゝかくて、気がのび/\とした。
夜もぐつすり寝た。
此宿の食事はボクチンにはめづらしいものだつた。
一月五日[#「一月五日」に二重傍線] 晴、行程九里、赤間町、小倉屋(三〇・中)
歩いた、歩いて、歩いて、とう/\こゝまで来た、無論行乞なんかしない、こんなにお天気がよくて、そして親しい人々と別れて来て、どうして行乞なんか出来るものか、少しセンチになる、水をのんでも涙ぐましいやうな
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