湯があふれる
・鐘が鳴る温泉橋を渡る
[#ここで字下げ終わり]
余寒のきびしいのには閉口した、湯に入つては床に潜りこんで暮らした。
雪が降つた、忘れ雪[#「忘れ雪」に傍点]といふのださうな。
お彼岸が来た、何となく誰もがのんびりしてきた。
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ざれうた
うれしのうれしやあつい湯のなかで
またの逢瀬をまつわいな
わたしやうれしの湯の町そだち
あついなさけぢやまけはせぬ
たぎる湯の中わたしの胸で
主も菜ツ葉もとけてゆく
[#ここで字下げ終わり]
もつとも温泉は満喫したが、嬉野ガールはまだ鑑賞しない!
方々からのたより――留置郵便――を受取つてうれしくもありはづかしくもあつた、昧々、雅資、元寛、寥平、緑平、俊の諸兄から。
緑平老の手紙はありがたすぎ、俊和尚のそれはさびしすぎる、どれもあたゝかいだけそれだけ一しほさう感じる。
こゝに落ちつくつもりで、緑、俊、元の三君へ手紙をだす、緑平老の返事は私を失望せしめたが、快くその意見に従ふ、俊和尚の返事は私を満足せしめて、そして反省と精進とを投げつけてくれた。
とにもかくにも歩かう、歩かなければならない。
こゝですつ
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