東洋では香港につぐ港の美景であるといはれてゐる)。
△二月七日は書き落したから、二月八日の後へ書く。
二月八日[#「二月八日」に二重傍線] 雨、曇、また雨、どうやら本降らしくなつた。
ひきとめられるのをふりきつて出立した、私はたしかに長崎では遊びすぎた、あんまり優遇されて、かへつて何も出来なかつた、酒、酒、酒、Gさんの父君が内職的に酒を売つてをり、酒好きの私が酒樽の傍に寝かされたとは、何といふ皮肉な因縁だつたらう!
とにもかくにも、長崎よ、さようなら、私は何だか、すまないやうな、放たれたやうな気分で歩いて来た。
Gさんの父君が餞別として、六神丸を下さつた、この六神丸は、いろ/\の意味で、ありがたかつた。
今朝は烟霧[#「烟霧」に傍点]といふものを観た、それは長崎港にふさはしいものだ、街の雑音も必ずしも悪くない。
鎮西三十三所の第二十四番、田結の観音寺に詣でる、つまらないところだつた。
このあたりには雲仙のおとしご[#「おとしご」に傍点]といひたいやうな、小さい円い山が五[#「五」に「マヽ」の注記]つも五つも盛りあがつてゐる、その間を道は上つたり下つたり、右へそれたり左へ曲つたり、
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