ゞ不便なのは酒屋が遠いことだ、三里はないけれど十丁位はある、それをわざ/\一合買ひに行くのだから、ほんたうに酒飲は浮ばれない(もつとも此場合の酒は古機械にさす油みたいなものだが)。
酒については、昨日、或る友にこんな手紙を書いた。――
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……酒はつゝしんでをりますが、さて、つゝしんでも、つゝしんでもつゝしみきれないのが酒ですね、酒はやつぱり溜息ですよ(青年時代には涙ですが、年をとれば)、しかし、ひそかに洩らす溜息だから、御心配には及びません。……
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 四月十四日[#「四月十四日」に二重傍線] 雨となるらしい曇り、行程三里、生きの松原、その松原のほとりの宿に泊る綿屋( ・ )

行乞途上、わからずやが多かつたけれど、今日もやつぱり好日。
女はうるさい、朝から夫婦喧嘩だ、子供もうるさい、朝から泣きわめく、幸にして私は一人だ。……
朝鮮人はうるさいと思ふのに(此宿にも二人泊つてゐる、朝鮮人としての悪いところばかり持つてゐるらしい)、亭主持つなら朝鮮人(遊ばせて可愛がつてくれるから)とおばあさんがいふ!
休んでゐると、犬が尾をふりあたまをふつてや
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