しよに里へ下りて来た
休んでゐるそこの木はもう紅葉してゐる
山路咲きつゞく中のをみなへしである
だん/\晴れてくる山柿の赤さよ
山の中鉄鉢たゝいて見たりして
・しみ/″\食べる飯ばかりの飯である
蝶々よずゐぶん弱つてゐますね
或る農村の風景(連作)
明《アカ》るいところへ連れてきたら泣きやめた児だつた
子を負うて屑繭買ひあるく女房である
傾いた屋根の下には労れた人々
・脱穀機の休むひまなく手も足も
・八番目の子が泣きわめく母の夕べ
・損するばかりの蚕飼ふとていそがしう食べ
・出来秋のまんなかで暮らしかねてゐる
こんなに米がとれても食へないといふのか
出来すぎた稲を刈りつゝ呟いてゐる
刈つて挽いて米とするほこりはあれど
豊年のよろこびとくるしみが来て
・コスモスいたづらに咲いて障子破れたまゝ
・寝るだけが楽しみの寝床だけはある
・暮れてほそ/″\炊きだした
・二本一銭の食べきれない大根である
・何と安い繭の白さを□□る
[#ここで字下げ終わり]
勿論、これは外から見た風景で、内から発した情熱ではない、私としては農村を歩いてゐるうちに、その疲弊を感じ、いや、感
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