アンナ、パブロオナ
田山録弥
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)傍《そば》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)二|言《こと》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「肄のへん+欠」、第3水準1−86−31]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)サラ/\
*濁点付きの二倍の踊り字は「/″\」
−−
一
「そんなにして遊んでゐて好いのかね?」
「大丈夫よ」
Bは笑つて、「旦那に見られては困るんぢやないか?」
「そんなこと心配ないの……見つかつて、いやだつて言つたら、よして了ふばかりですもの」
飽きも飽かれもせずに別れた時子とハルピンのホテルでさうした一夜を送らうとはBは思ひもかけなかつた。それはそこにゐるのは聞いて知つてゐた。大連で女から手紙も受取るには受取つた。しかもかういふ風に自由に、簡単に逢ふことが出来るとはBも思つてゐなかつた。せめて顔だけでも見られゝば満足であると
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