味覚馬鹿
北大路魯山人

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)美味《うま》い

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)存外|玄人《くろうと》

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)しろもの[#「しろもの」に傍点]
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 美味《うま》い不味《まず》いは栄養価を立証する。
     *
 天然の味に優《まさ》る美味なし。
     *
 現今《げんこん》の料理は美趣味が欠如している。
     *
 料理つくるも年齢、食う好みも年齢。
     *
 料理をつくる者は、つとめて価値ある食器に関心を有すべし。
     *
 高級食器、美器をつくらんとするものは、美食に通ずべし。
     *
 栄養価値充分にして美味にあらざるものは断じてない。美味なれば必ず栄養が存する。
     *
 味覚は体験に学ぶ以外に道はない。良体験をもったものは、よい料理ができ、よい味覚がそなわり、幸せであり、美味いもの食いの資格が高い。
     *
 現在、純日本料理はないであろう。
     *
 料理を味わうにも、三等生活、二等生活、一等
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