高野豆腐
北大路魯山人
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)使い甲斐《がい》
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これにもよい悪いがずいぶんあるからご注意願いたい。悪いのは、凍らして乾かす時の不出来に由来し、いざというときに固くてものにならないのや、やわらかすぎていけないものなどである。
どのくらいの固さがよいかはむずかしい問題で、固いのになるとカスカスしている。反対にやわらかいのは、もとの豆腐にかえるのもある。カスカスがよいというひとも、やわらかいのがよいというひともある。これは各人の好みによってきめるのが最良で、強いて評価するなら、その中間がいちばんよろしいといえよう。
五目寿司には少しカスカスした高野豆腐でないと使い甲斐《がい》がないから、割合に固めのものを用いるように。
普通の高野豆腐のもどし方は、鍋などに入れて重曹をばらまき、落とし蓋をして、重しを入れ、豆腐の下の方から湯がまわるように熱湯をそそぐ。すると底から温かくなり、しばらくすれば一体にやわらかくなる。
重曹のばらまき方は、豆腐の四方八方、裏表平均に薄くつけるので、ただ熱湯をかけたのでは角のところがうまくやわら
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