いる。ああいうのはどこまでいっても職工的であって、的が初めから違っている。これは名人肌でありまして、優れたものでありますから値段も相当高いのでありますがこれは初めから職工的です。それから是真《ぜしん》というようなものでありますが、あれは芸術的なところもないこともありませぬが、だいたい職工的です。これは両方ともそうはっきり水と油と違うように違うわけのものではありませぬので、これに対して両方に跨《また》いでいる。少し芸術的であって、大部分職工的なもの、大部分芸術的なもので、職工的に少し足をかけているというようなものもある。これはみなさんお考えになってもそういうのがあるだろうと思います。
 これはだいたいにおいて芸術的と職工的のお話でありますが、古陶磁の話に戻りまして古陶磁のごとき尊いもの、値段の高いものは、それはなぜそんなに値段が高くなるかといいますと、これは芸術的生命が多いから、古陶は平均して高い。陶器、専門的に磁器というのでありますが、青磁があります。青磁は平均して高いのでありますが、この青磁がなぜ高いかと申しますと、これが出来た年代が宋の時代でありますから、日本の鎌倉時代です。鎌倉時
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