どれも本格の塩焼きのできない場合の方法であって、いわば原始的な食い方であり、いずれも優れた食い方ではあるが、必ずしも一番よい方法ではない。それをわざわざ東京で真似《まね》てよろこんでいるものもあるが、そういう人は、鮎をトリックで食う、いわゆる芝居食いに満足する輩《やから》ではなかろうか。
やはり、鮎は、ふつうの塩焼きにして、うっかり食うと火傷《やけど》するような熱い奴《やつ》を、ガブッとやるのが香ばしくて最上である。
底本:「魯山人の食卓」グルメ文庫、角川春樹事務所
2004(平成16)年10月18日第1刷発行
2008(平成20)年4月18日第5刷発行
底本の親本:「魯山人著作集」五月書房
1993(平成5)年発行
初出:「星岡」
1932(昭和7)年
入力:門田裕志
校正:仙酔ゑびす
2009年12月4日作成
青空文庫作成ファイル:
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