られたというのです。
「東水の尾の混血児《あいのこ》娘たちア、何であんなところにいつまでもこびり付いてるんだろうなア、一匹売り、二匹売り……もう馬だって一匹しか残ってやしねえや!」
と、この村でも噂しているものがあったというのです。
農場の農夫たちは、父親の在世中から、もう疾《とっ》くに散り散りバラバラになっていましたが、この頃から馬丁《べっとう》の福次郎も、水番の六蔵も山を降って、あの淋《さび》しい山の中には、ただ娘たち二人っ切りが住んでいたのですが、しかもそのうちに、仲のいいこの姉妹《きょうだい》の間に争いが起ったらしく、あろうことか、あるまいことか! 妹は到頭、姉を撃ち殺してしまったというのです。
もちろん、人の往来《ゆきき》とてもないこの山の中ですから、その時はスグにそんなことがわかったわけではありません。が、後になって、小浜《おばま》の警察署から刑事たちが登って来て調べたところでは妹が姉を殺したのは、おそらく今年の四月中頃ではなかったろうか? という推定だったのです。
姉の亡くなった後も、一週間か十日ばかりは、妹の姿が……白い馬で、村の郵便局へ通って来るのが見受けられ
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