たのでしょうか? それならなぜ私に、住所を知らせてよこさないのでしょう? 人に知らせもくれないで……! が、突然|五月《いつつき》ばかり前、スパセニアから受け取った葉書を思い出しました。あの夕方門の前に佇《たたず》んでいた以来は、何の消息《たより》もありませんが、しかしその五月前の葉書には、確かに南高来《みなみたかき》郡大野木村郵便局|留置《とめおき》と、いつもの住所が書いてあったのです。と、すれば、二人ともやはりこの辺のどこかに住んでいるはずです。その葉書には、いつものように、ゼヒゼヒイラシテクダサイ、オマチシテオリマス……と書いてあったのです。
 来い来いといったところで、新しい住所を教えてくれなければ、訪ねて行けないじゃないか! と一瞬私は、腹立たしい気になりました。焼け跡に何か、立ち退《の》き先でも残してないか? と調べてみましたが、それらしいものも見当りません。ともかく、こうなれば、どこに彼女たちが住んでいるかを探すことが、第一の急務です。ああ、自動車を返すんじゃなかった! とじだんだ踏みたいような気になりましたが、いくら後悔したからとて、もう追っ付くものではありません。
 
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