越中劍岳先登記
柴崎芳太郎
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)遍《あまね》かられん
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)足跡|殆《ほと》んど
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(例)[#ここから2字下げ]
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越中の劍岳は、古来全く人跡未到の劍山として信ぜられ、今や足跡|殆《ほと》んど遍《あまね》かられんとする日本アルプスにも、この山ばかりは、何人《なんぴと》も手を著《つ》け得ざるものとして、愛山家の間に功名の目標となれるが如き感ありしに、会員田部隆次氏は、「劍山|登攀《とうはん》冒険談」なる、昨四十年七月末『富山日報』に出《い》でたる切抜を郵送せられ、かつ「先日山岳会第一大会に列席して諸先輩の講演、殊《こと》に志村氏の日本アルプスの話など、承《うけたま》わり、すこぶる面白く感動|仕候《つかまつりそうろう》、その中に、劍山登り不可能の話|有之《これあり》候に就きて、思い出し候|間《あいだ》、御参考までに別紙切抜き送り候、……なお小生のその後、富山県庁の社寺課長より聞く所に拠《よ》れば、芦峅寺《あしくらじ》にては、
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