大きいので、仕込みさえすれば、女優として申し分のない女だ。かつ、その子供が一人ある、また妹がある。それらを引き入れることが出来る望みがある。失敗はあらかじめ覚悟の上でつれて帰りたいから、それに必要な百五十円ばかりを一時立て換えてもらいたいと頼んだ。その全体において、さきに劇場にいる友人に紹介した時よりも熱がさめていたので、調子が冷静であった。無論、友人に対する考えと先輩に対する心持ちとは、また、違っていたのだ。ただ、心配なのは承知してくれるか、どうかということだ。
「もう、書けたの?」吉弥は待ちどおしそうに尋ねた。
「ああ」と、僕の返事には力がなかった。
 僕は寝ころんでがぶかぶ三、四杯を独りで傾けた。
「あたいも書こう」と、吉弥が今度は筆を取り、僕の投げ出した足を尻に敷いて、肘《ひじ》をつき、しきりに何か書き出した。
 僕は手をたたいて人を呼び、まだ起きているだろうからと、印紙を買って投函《とうかん》することを命じた。一つは、そこの家族を安心させるためであったが、もし出来ない返事が来たらどうしようと、心は息詰まるように苦しかった。
「………」吉弥もまた短い手紙を書きあげたのを、自慢そ
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