す土産は、絶對不易のものではない[#「現世から他界に齎らす土産は、絶對不易のものではない」に白丸傍点]、たゞ神秘な表象ばかりで[#「たゞ神秘な表象ばかりで」に白三角傍点],その身も亦意外の表象であつたことに氣が附くと、以前に生れた時と同じ樣に、何だか嶄新な樣な、恐ろしい樣な、それで未練の絶えない樣な、あかるくツても暗い樣な岡に立つて、悲風萬里より來たるかの心持ちがしよう。この時、教訓もなければ、眞理もない、たゞ新らしい自我といふものが深い底から目を覺まして來て、美はしい活動の姿を見せるのである。これが表象の與へる効果[#「表象の與へる効果」に白三角傍点]である。
若し宇宙に生命が滿ちて居るとしたら、この表象が溢れて居るのである[#「若し宇宙に」〜「居るのである」に傍点]。エメルソンとスヰデンボルグとは、自然の位置を大心靈の中に定めてから、自然の理法を悟るに從つて、自然は消えて行つて、心靈ばかりが見える樣に云つたが,それでは、また、心靈の理法を悟るに從つて、心靈は消えて行つて、心靈以上のものか、またはもとの自然かが見えて來る筈だ。詩人ゲーテが明暗の融和を以つて色の原理を説明したのはもう
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