「(一)」は底本では左右にパーレンのついた「一」] 言語は自然の事實の表象である事。
(二)[#「(二)」は底本では左右にパーレンのついた「二」] 特殊の自然的事實は、特殊の心靈的事實の表象である事。
(三)[#「(三)」は底本では左右にパーレンのついた「三」] 自然その物は心靈その物の表象である事。
かういふところはスヰデンボルグに似て居る。たとへば、心の正しいとか、曲つて居るとかは、竹などの眞直ぐであつたり、くねつて居たりするのと同じで,また、胸と云つて情緒を表し、あたまと云つて思想を現はす。人間が單純な生活状態にある間は、すべて物質的、外形的の物を借りて來て、心靈的、内在的の表現をするのである。外界に見える状態は、必らず内心にもある状態で[#「外界に見える状態は、必らず内心にもある状態で」に傍点]――怒つて居る人は獅子で、狡猾な人は狐で、泰然自若として居る人は岩の樣である。小羊は無邪氣、蛇は惡意、花は微妙な愛情を示すし、また、光と闇とは智と無智とを、熱は戀を、僕等が前後の風景一幅は、僕等の記憶と希望とを反映して居る。その自然の諸事物を別々に見ないで、前にも云つた純全觀念に統
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