得なからう[#「從つて」〜「止むを得なからう」に白丸傍点]。『プラグマチズム』の世界觀を藝術に移して見れば、矢張僕の説になる。知力ばかりでは達し得られない神秘世界は、藝術上の經驗主義なる自然主義――一段古い語で云へば、寫實主義――の根底に、初めから横たはつて居るのである。天才の冥想が之を直寫して、劇となつたものでなければならない。
 僕の試作が充分にそれを顯はし得たかと云つて貰つてはまだ困るが、かういふ劇を大成する天才が出て來た曉には、その創作は事件の進行よりも、人物の出入よりも、一番に獨白[#「獨白」に白三角傍点]を主とするやうになるだらう。登塲人物が偉大なれば偉大なる程、つひには獨白劇、否、更らに進めば、無言劇になつてしまうだらう[#「を主とするやうに」〜「なつてしまうだらう」に傍点]。僕は、そういふ塲合に豫想の出來る事件と動作とを、最も純粹自然の要素として、先きに云つた要素に加へたいのである[#「僕は」〜「加へたいのである」に白丸傍点]。諸君も考へて見給へ、かういふ時は乃ち孤獨悲痛の大心靈が、一劇塲の舞臺を刹那として實現して來た時であらう。若し舞臺なるものに關係なく、之を歌ひ得る
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