返つて居たのである。今一つ例を擧げると、或小兒が、その小妹を失つてから、もう二三年も經《た》つた時、或神社の境内で、死んだ妹にそツくりの兒を見、その母の名を尋ねると、自分の母の名と同じであつたので、之を脊負つて泣きながら自分の家へ連れて來たことがある。この二つの小靈が邂逅した神社は地獄であつたかも知れない、無邪氣な悲痛の刹那がたま/\こゝに暗合したのである。僕等の靈は决して一處に持續して居るものではない[#「僕等の靈は决して一處に持續して居るものではない」に傍点]。現世の形心を土臺にして人格を造り上げようとするのは、砂に文字を書く樣なものである[#「現世の形心を」〜「書く樣なものである」に白三角傍点]。情的實行は、ロングフエローが『人生の歌』に歌つた樣な、『明日毎にわれ等が今日よりも進んで居るのを發見する』のではない。
 たゞ單に實行と云つても、僕のは倫理學者などの云ふのとは違つて居よう。プラトーンは、王陽明などと同じ樣に、知行合一を唱へた。ところが、歐米最近の哲學界には、活動を中心として、僕等の經驗が乃ち宇宙その物だといふ立ち塲から、實用にならない知識は知識でないといふ學説――プラグ
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