いまはよるもよなかだが
こほろぎ[#「こほろぎ」に傍点]はしきりにないてゐる
わたしは寢床《ねどこ》の上ではつきりと目ざめた
子どもを見ると
子どもはしつかりその母に獅噛みついてゐるではないか
そしてぐつすりねこんでゐる
おお、妻よ
お前もそこでねむれないのか
しんしんと沁み徹るこの冷氣はどうだ
もつとおより
一ツ塊《かたま》りになるまで
薄暮の祈り
此のすわり
此の靜かさよ
而もどつしりとした重みをもつて林檎はまつかだ
まつかなりんご
りんごをじつとみてゐると
ほんとに呼吸をしてゐるやうだ
ねむれ
ねむれ
やせおとろへてはゐるけれど
此の掌《て》の上でよくねむれ
此のおもみ
此の力のかたまり
うつくしいのは愛だ
そして力だ
林檎一つ
ひたすらに自分は祈る
ましてこのたそがれの大なる深さにあつて
しみじみとりんごは一つ
りんごのやうに自分達もあれ
此の眞實に生きよう
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“〔Die Humanita:t erst bringt klarheit u:ber die Menschenwelt, und von da aus auch
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